-
灰の中から生まれ変わったフェニックス
Formbar AG がいかに、Tebis コンサルティングのサポートにより赤字から脱出して、市場に確固たる地位を確立したのか。
会社
Formbar AG
主要課題
鋳造モデル、レーシング、航空・自動車産業用製品
利点
- 豊富な実績
- 高性能マシン
- NC自動化
公開済み
2018
インタビュイー: Kaspar Hürlimann, 代表取締役社長
当社の顧客がTebis を利用しており、我々が使っていた別のソフトウェアソリューションよりもスピーディーに優れた結果を出していました。他の顧客や業界の同僚も同じような経験をしていたため、我々もTebis をテストしてみることにしたのです。
Formbar AGのKaspar Hürlimann代表取締役社長、スイス、キルヒドーフ区カスパー・ヒュルリマン氏が2012年に Keller Modell- und Formenbau AG のCEOに就任した時の状況は厳しいものでした。当時主要顧客が低賃金国に全てをアウトソーシングしたため、同社の売上は75％落ち込みました。「当時は非常に困難な時期で、もう無理だろうと多くの人に言われました」とヒュルリマン氏は振り返ります。しかし熟練した模型製作者、機械エンジニアそしてインダストリアルエンジニアが腕まくりをして、会社の方針転換に取り組みました。信頼がおける投資家および、CAD/CAMソフトウェアメーカーTebisによる、実情に即した企業コンサルティングサービスであるTebis コンサルティングの力を借りました。皆が力を合わせて、同社を再び成功の道へと導きました。
Tebisのソフトウェアおよびサービス
CEOがTebisに出会ったのは偶然の賜物でした。ヒュルリマン氏が説明します: 「当社の顧客がTebis を利用しており、我々が使っていた別のソフトウェアソリューションよりもスピーディーに優れた結果を出していました。他の顧客や業界の同僚も同じような経験をしていたため、我々もTebis をテストしてみることにしたのです」こうしてソフトウェが会社に導入されることになったのです。ヒュルリマン氏はさらにTebisコンサルティングに、プロセス最適化およびマネジメントに関するコンサルティングをお願いしました。
熟練した工具技能工そして機械工学士で、鋳型製造の中小企業で製造マネージャーおよび副社長しての経験豊富なTebis コンサルティングのコンサルタント、マルクス・ラウシュ氏がこれを引き受けました。まず最初に模型・鋳型製作の全てのプロセスと手順を分析し、製造およびマネジメントに係るスタッフと話し合いを行いました。ヒュルリマン氏にとってこれは初めての経験でした。「内部のプロセスを第三者にみてもらうのは非常に興味深いことです。我々はよりスピーディーでより優れた、そしてより大きな会社になることを目指していましたが、その方法が問題でした」
分析が可能性を開く
ラウシュ氏は経験上、外部からの先入観のない視点により、思い至らなかったチャンスのみならず弱点も明らかになると確信しています。分析とベンチマークを通じて最初に分かったのは、低い機械稼働率および主軸回転速度、低い従業員満足度そして緊迫した市場・価格状況でした。「多くの困難にも関わらず我々は、多くの可能性、経験豊富なスタッフそして優れた設備を目の当たりにしました。会社を再び黒字に戻すことは大きな課題でしたが、これを皆で協力して成し遂げたいと思ったのです」とラウシュ氏は述べます。
豊富な分析データを基に、どのプロセスステップが付加価値を生み出すのか、必要なのか、あるいは無駄なのかを突き止めました。同氏はさらに、耳に痛い真実にも言及しました: 例えば、確立された構造や社内プロセスは、コストがかかりすぎて時代に即したものではなくなっていたというのです。ラウシュ氏は「転換を成功させるためには、根気強い説得と直観が必要になります」と説明します。同氏は、まさにそれに相応しい方法を知っています。
マルクス・ラウシュ氏とカスパー・ヒュルリマン氏は、既存のコアコンピタンスに沿い、明確な構造と自動化プロセスを導入することで、新たな市場地位を確立するためのコンセプトを開発しました。Tebis コンサルティングが、新しいターゲット市場向けの戦略の実施をサポートします。
左から順に: カスパー・ヒュルリマン CEO、ラウル・ガンツ副社長、ミヒャエル・ヒルパート製造副部長、ウルス・フリードリヒ製造部長マネジメントコンサルティングが示す迅速な効果
模型・鋳型メーカーの主力はもともと、大口の鋳型モデル製造プロジェクトでしたが、同社は製品ポートフォリオを拡大し、航空分野やレーシング分野でも受注するようになりました。ラウシュ氏は「こうしてFormbar は、製造の大部分を東欧に移動させたことによる、鋳型製造領域の価格破壊の影響から徐々に免れることになりました」と説明します。同社は海外からも受注しており、それ自体は問題ではなかったのです。しかし当時、スイスフランに対するユーロの為替変動が激しかったため、懸念が生じていました。ラウシュ氏は「したがって我々は、Formbarのスイス市場における確立に注力しようと考えたのです」と述べます。
コンサルタントが重視するポイントです: 転換を成功させるためには、あらゆる分析および実行に際して関連スタッフの参加を求め、疑問点を明らかにし、懸念事項を議論する必要があります。ラウシュ氏はコーチングやトレーニングを通し、経営陣が、変化およびそれに伴うスタッフのニーズに敏感になるように仕向けました。ヒュルリマン氏が回顧します: 「話し合いや研修を通してより多くのスタッフに受け入れられるようになり、新しいボーナスシステムもモチベーションアップに一役買いました」
プロセスコンサルティングがもたらす具体的な効果
Tebis のインプリメンテーションスペシャリストもFormbarをサポートします: メリットを最大限に享受できるよう、Formbar社向けに個別にTebis ソフトウェアを調整して、製造のより高度な自動化を可能にしました。例えばヒュルリマン氏は様々なインターフェースに投資しました。「例えばCatia あるいはSiemens NXなど他のシステムのデータを、構造まで含めて問題なく読み込めるようになりました。我々が最高の精度と正確さで作成する複雑で大型な製品にとって、明らかなメリットとなります」と同氏は述べます。同時にTebis のスペシャリストが個別の技術者の知識や、工具、工作機、切削データ、送り速度、素材そして製品に関する全ての情報をバーチャルデータバンクやTebisライブラリーに登録します。全てのプログラマーが問題なく、これらのノウハウにアクセスできるようになります。予め設定されたプログラマー・テンプレートおよびフィーチャーのおかげで、日々の作業をより簡単にこなせるようになります。その理由: プロセスが自動化および標準化され、したがって確実なNCプログラミングのスピードがアップします。CEOは「我々のNCプログラマーは、少し使用しただけですぐに感心していました」と当時を振り返ります、「当社のお客様は、製品品質および納期内の納品に非常に満足しています。われわれが現在ここまで効率的に作業できるのは確実に、Tebis によるところが大きいです」とヒュルリマン氏は語ります。
投資でフレキシビリティの向上
Formbar 社は新しい機械設備にも投資をしました。構造改革の最大のハイライトは、5軸CNCポータル研削機 FZ 33 Compact を購入したことです。Zimmermann社製5軸CNCポータル研削機 FZ 30、Quaser 社製の3軸研削機 MV-304Cに続く三台目のCNC研削機として購入されました。「このマシンは当社の加工機を完璧に補完するものです。4X2.5x1.5 ｍのツールパスを持ち、非常に操作性に優れ、われわれが所有していた5軸ポータル研削機の2倍以上の速さです」とカスパー・ヒュルリマン氏が熱く語ります。その豊富な機能により、あらゆる産業領域向けの製品を作成することができます。
対策は実を結びました: Formbar は一年間で、効率およびプロセスの信頼性を大幅に向上させることに成功しました。それ以降スタッフはそのままで、機械稼働率および売上は2倍になりました。フレキシビリティが向上したことで、新規顧客の数も増えました。スイス市場においてFormbar の未来は約束されています。現在同社は鋳造用モデルの他にもレーシング、航空機産業そして自動車産業向けの製品を製造しています。スタッフが有する貴重なノウハウおよび多彩な加工機からメリットを享受しています。
ヒュルリマン氏は最初からトップクラスに入ることを望んでおり、実際にそれを達成しました。「この結果が、われわれが正しいコンサルタントを選んだことを示しています。当社は有能なTebis コンサルティングによるサポートを受けました」とヒューリマン氏は強調します。しかしCEOはこの成功に留まることなく、さらなる会社の発展に努めます。2019年から、GOM 社製の光学測定システム ATOS Compact Scan 12M を投入しています。その際にもTebis が対応し、ヒュルリマン氏は今後も、CAD/CAM/MESメーカーとのさらなる長期的なパートナーシップを計画しています。空調完備の生産ホールに今月新しく、Zimmermann 社製の一番早いポータル研削機 FZU 4m x 3m x 1.5m が整備されました。「非常に楽しみです。Tebis との協力関係は素晴らしいです。やる気のあるスタッフそして最新のインフラストラクチャーのおかげで、顧客満足度および仕事の楽しさが保証されます」
最適化された加工機: 新しい5軸CNCポータル研削機Formbar AGについて
アールガウ州キルヒドーフ区に拠点を構えるFormbar AGは「Keller Modell- und Formenbau AG」から誕生しました。1911年の設立で、三代にわたって家族経営で営まれてきました。もとは手工業の製材所だったのが、コンピューター化されたシステムに全幅の信頼を置く、最先端の鋳型・金型メーカーに発展しました。2014年に、Keller Modell- und Formenbau AGが現在のFormbar AGに名称を変更しました。
現在Formbar は鋳造用模型および、レーシング、航空産業そして自動車産業向けの製品を製造しています。準備からプログラミング、組み立て、製造から仕上げまで、全て社内で行います。2人の見習いを含む総勢13人のスタッフは、プラスチック、アルミニウム、木あるいはカーボンなど、様々な材質の扱い方を正確に把握しています。
後列左から順に: Cyril Schmid氏（CAD/CAM）、見習いトレーナーAndreas Walter氏 （鋳型職人 CAD/CAM） Michael Hilpert氏（製作副部長）、Kaspar Hürlimann氏（CEO）、 Victor Angst氏 (鋳型職人 CAD/CAM)、Beat Gnepf氏（モデル製作 AVOR）;前列左から順に: Eliane Heh氏（鋳型職人、見習い三年目）、Raoul Ganz氏（副社長）、Patrick Ronner氏（鋳型職人 CAD/CAM）、Adile Karatas氏（鋳型職人 CAD/CAM）、Urs Friedrich氏（製作部長） 不在: Gregor Dannenberger氏（鋳型職人）、Jann Meier氏（鋳型職人、見習い1年目）
