リバースエンジニアリングを用いると、直前にスキャンされた対象物を可能な限り正確に再現するCADのサーフェスモデルを作成することができます。リバースエンジニアリングは、実物を手で修正加工した時、更にその後のプロセスでCADモデルが必要となってくる場合にいつも使用されます。
モデル製造分野では、クレイで作られたデザインモデルとカーモデルがスキャンされ、これがCADサーフェスに変換されます。
金型製造分野では、トライアウトの段階で成形金型に変更が加えられたものがスキャンされ、既存のCADモデルが最新の状態に更新されます。それまでCADデータがまったく存在しなかった金型のCADサーフェスを作成しなければならないこともしばしばあります。
BMWグループとの共同プロジェクトで、デザインサーフェスに要する時間を過去数年間のうちに着々と短縮させることができました。今では、自動車のアウターシェルの高品質なCADデザインサーフェスを、50時間以内に作成するまでになりました。
同一のCADファイルを使ってスキャンデータの品質の分析・最適化を行い、ワイヤフレームモデルを作成し、サーフェスモデルを作ります。リバースエンジニアリングで作成されたサーフェスを、実用的なカーブおよびサーフェス技術を用い、設計的に補完していきます。このサーフェス技術で、短時間にクラスA品質の自由曲面を完成させます。
リバースエンジニアリングを使って高品質のCADサーフェスを作成する際の手順:
半自動かつ対話式のデザイン機能を使って、スキャンされたデータ(メッシュモデル)を基にインテリジェントなワイヤフレームモデルを作成し、そこから自動でサーフェスの角度及びセグメント化を処理、サーフェストランジションの品質を調整します。ユーザーは、ワイヤフレームモデルを使用し、サーフェスのレイアウト及び隣接面への遷移品質を定義します。Tebisは自動で、ワイヤフレームモデルとメッシュからサーフェスモデルを算出します。精度を指定することで、ワイヤフレームモデル及びサーフェスがスキャンデータにどこまで近似すべきかを決定します。
Tebisのリバースエンジニアリングは、瞬時に実際の成形金型あるいは射出成形金型のバーチャルモデルを作成できます。その際に、既存のCADデータを考慮することが可能です。下記に該当する場合、リバースエンジニアリングを用いると大幅な時間短縮に繋がり、非常に便利です。
金型製造者はトライアウトの段階において成形金型を手作業で変更していきます。従ってCADモデルは有効でなくなってしまいます。リバースエンジニアリングを使うと、手作業で加えられた変更がスキャンされ、快適にCADモデルファイルに反映させることが可能です。これによって、金型を最適化してゆく過程、複製の際に大幅な時間短縮となります。
成形シミュレーションのメッシュデータを基にリバースエンジニアリングを行うことも可能です。まず最初に、曲率分布に関する作成方法が分析されます。続いてサーフェスレイアウトを作成し、四角形のサーフェス及び、任意にトリミングされた多角形のサーフェスを使って個別の領域を埋めてゆきます。このようにして、迅速にサーフェスモデルを入手することができます。
CADサーフェスは、モデル製造の後に続く全ての設計、並びに製造プロセスの基礎となります。例えばクレイモデルを使うなどして、手作業の成形メソッドで形状を検証したり、あるいは古い部品や芸術品の検証を行う場合に、CADサーフェスは実物に忠実でなければなりません。
リバースエンジニアリングを用いると、手作業と設計技術とを組み合わせることができるので、その両方の利点を活用することができます。少ない工数で、実物モデルに従ったCADサーフェスを作成することが可能です。BMWグループ-デザインと共同で進められた技術開発の詳しい情報をご一読下さい。手作業によるフォーム検証を、可能な限り効率的にバーチャルデザインと結びつけることを可能にした、信頼性のあるメソッドが誕生いたしました。
この新しいやり方で、全く同じ規格の金型を迅速かつ効率的に、いくつもの拠点で同時に製造し、使用することができるようになりました。これにより、世界中にある金型工場が恩恵を受けています–例えば、メキシコであっても非常に迅速に、標準化された金型を製造することができるようになりました。